俗幻の小説を残す意義

meiさんの質問に対する回答
「アルカを残す」ということが主眼のようですので、主にその観点から答えさせていただきます。

「小説資料は本当に必要か」

俗幻の使用実態を残す、あるいは発展させるという意味で、有益と思います。
使用実態を残すという意味では、twitter上での呟きややりとりをまとめておくことも必要ではないかなと最近思います。

「素人が執筆したものは資料足り得るか」

ある意味で俗幻の使い手は素人しかありえないのですべて一級の史料たりえます。

「小説を書くにあたってどうしても比喩表現が発生したりするが、俗言語として追加しても良いのか」

比喩表現については、造語時と同じく妥当性に対する吟味が必要と考えます。

「データはどのような形で公開し、残すべきか」

htmlが保存性・検索性の意味で良いと思います。
pdfだと紙に印刷してもらえる可能性が高いです。
他の媒体はのちのち扱えなくなる可能性が高そうです。

「形式は既存のアルカの小説を踏襲すべきか」

形式や作り、小説特有の書き方に関しては、アルカの特徴というよりもセレンさんの特徴というべき部分も多いでしょうから固執する必要はないと思います。

「日本語対訳は必要か」

必須と考えます。2つ理由があります。

  1. 非母語で書くものなので、ミスがないことはありえないし、ミスがあったときに意図と異なる解釈をされる可能性が高いため。
  2. 将来の人が読んだとき、アルカに変化が生じていると読み解くのが難しい。また、言語の変化を感じ取りにくいため。

「アルバザードを舞台にしても良いのか」

良いと思います。むしろ、アルバザードが舞台でないとアルカを使う根拠に乏しいのではないでしょうか。

「既存アルカ小説での固有名詞は、個人名でなく組織や建物は、(おそらく読者の便宜を図るため)幻日に登録されていたりするが、俗幻ではどうすべきか」

まずはキリがないので登録しないほうが良さそうです。
ただし、今はまだ事例がないものの、俗幻使用者の間でデファクトスタンダードとなるような設定が将来的に出てくれば記載する必要があるかもしれません。


Indigo : レビュー

背景

2010年に半端マニアソフトより発売された同人ゲーム。同人ゲームオブザイヤー脚本賞1を受賞。スタッフは渡辺僚一秋雨前線などプロとしても活動している人が多数2。規模としては中~大3

タイトルは「藍色」、曖昧なものの象徴として作品中で幾度となく言及される。

舞台

現代日本舞台の伝奇系ファンタジー。バトル(刀剣・魔術・布)、ルーマニア神話、シルクロード史、進化論の要素あり。あらわし=現実の存在 とかくり=霊的な存在 に二分される世界観が独特4

主要モチーフは殺人。きっかけと方法は様々にしろ、殺人を志した人々が物語を織りなす。

総評

全体的に見て設定は面白いが、プロットに冗長・物足りない部分あり。会話テキストは好みが分かれるところで、自分としても評価に迷う。

印象としては良作と凡作の中間ぐらいの藍色な位置。つくとりがイメージに近い。

続きを読む


  1. 権威のほどは不明だが、同賞を受賞したファタモルガーナの館を直前にプレイしていて良作だったため受賞作を参照し、気になった今作を購入。
  2. ただし私自身は大半のスタッフを本作で知った。
  3. プレイ時間30時間前後。
  4. 同サークルの前作との設定の繋がりがあるらしい。

ファタモルガーナの館 : 安定した作話力の今後に期待

同人ノベルゲームファタモルガーナの館を振り返っておきます。
erogamescapeでデータ数僅少ながらやたらと高得点だったためやってみたわけですが、エロゲではないですしどちらかと言えば女性向な雰囲気です。ジャンルを一言で言うと西洋伝奇浪漫ですかね。

一言で言って素晴らしい作品でした。
とにかく話作りにソツがなくて、小さな物語が撚り合わさり大きな物語へと組み上げられていくカタルシスが存分に味わえます。小さな物語自身も話としてそこそこの内容に仕上がっているあたりに格の違いを感じます。特に第2章(獣の章)はなかなかハラハラしました。

さて、ノベルゲームとして見ると、まずBGMのほとんどに歌を採用した点が特徴的です。私自身はそもそも歌が嫌いですが、ポルトガル語?による楽曲は舞台の雰囲気には合っていました。
演出自体はかなり静的でありながら一枚絵(乙女ゲー業界ではスチルと呼ぶらしいのです)が効果的に使われていました。背景がヘボいのはまあ仕方ないですね。資源が限られているときに真っ先に削るべき要素は声・背景なので。


ファタモルガーナの館には、霧上のエラスムスセブンスコートという派生作品(といっても本編とは無関係)があるのですが、かなり安定してプロットのレベルが高いです。今後にも期待できそうです。
この2作品はフリーで配布されているのでぜひ確かめてみてください。特にセブンスコートが良いです。


あいうえお

記事を非公開にしただけじゃトップが更新されんのか。
訳の分からん仕様。

とりあえず俗幻のリンクを貼っておく。
http://mindsc.ape.jp/klel/


人工言語学研究会ミラー

さてどーしよ。
とりあえずミラーを作りました。
本家サーバより弱いので虐めないでくださいね。

人工言語学研究会ミラー
http://conlang.echo.jp/


もう一つの地球が見つかる日 02

7~8章では惑星が生命を維持できる条件について書いてあるので参考になりそう。
プレートテクトニクスとか考えないとだ。


もう一つの地球が見つかる日 01 : 系外惑星探査の最前線

系外惑星探査っていつの間にこんなに進んでたのか。本当は惑星探査じゃなく惑星そのものについて知りたかったんだが、この手のニュースを継続的に追ったりしない人間が発展史と当時の雰囲気を味わうのに丁度よかった。
系外惑星の大気組成や表面温度分布まで分かっていたり、直接(撮像)観測される段階まで来てるとは驚きだなあ。


環境理学 02 : 意見がバラバラじゃねーか

前書きにも「あえて記述内容の調整は行わなかった」みたいなことを書いてたけどここまでとは。
5,6,8章は、人為的な温暖化をとうに自明のものとして扱ってる記事と、温暖化人為説を真っ向から批判してる記事が完全に二分されててアレ。どういう哲学の上に成り立ってるんだこの本は。 
内容は…7章は人類史(特にオセアニア)を取り上げててまあまあ興味深かったかな。あんま気候と関連した考察がないのがやっぱり謎だけど。


魔法使いの夜 04 : 有珠山噴火

本編終わり!
番外編が長いらしいので後回しに。

続きを読む


環境理学 01 : 氷河期のレシピ

前に読んだ「気候文明史」に何度か参考文献として引かれていたので読んでみた。
古気候の分析手法とかには興味が湧かないけど、第3章は新生代氷河期の成り立ちについて少し詳しく書いてあって面白い。氷河期といっても一度に最寒期に突入するのではなく、段階を踏んで深刻化していく現象と理解できる。重要な寒冷化の原因はつぎのとおりである。

  1. 3700万年前の環南極海流の成立→南極氷床の形成
  2. 1500万年前のサモア海路の成立→南極氷床の成長が極限に達する
  3. 300万年前のパナマ陸橋の成立・ヒマラヤ山脈の上昇→北半球氷床の形成

特にサモア海路の成立によって極域の冷たく重い水が深層海流によって太平洋に行き渡るようになったことが全球的な寒冷化を引き起こしたらしい。


return top