われ敗れたり : 第2回将棋電王戦
将棋電王戦、先々週から見てた。
将棋に関しては動かし方が分かるという程度でしかないけれど、現役のトッププロがコンピュータに為す術もなく負けてしまう衝撃は感じ取れた。
GPS将棋は強すぎる。(GPSの評価値いわく)一手指し違えれば劣勢という局面の連続で全くミスなく指し繋げるのが凄い。それに対してプロ棋士の指し方は広く受けるような筋が多いように見えた。そうしているうちにちょっとずつ損を重ねていったような感じである(あくまでGPSの評価値いわく)。なるほど三浦八段の指し方はもちろん、人間相手なら最善だろう。
PC670台という下駄はあるけれども、ムーアの法則的に考えてlog2(670)/1.5=6~7年もあればPC1台で同等のレベルに達するのは間違いない。とはいえ全局面を読むことは決してできないので、単なる力業ではなく優れたアルゴリズムが実力に大きく寄与しているのも事実。人間と人間の戦いとはそういうことなのだろう。
これだけ手を読んでも人間が対抗しうるレベルを超えないので、最終的には脳神経の模倣と機械的探索の協調が必要になってくるんじゃないだろうか。人間と機械が競い合える時代の終わりはもう眼前に控えている。たまたまこういう瞬間に立ち会えたのは幸運なことだ。
架空世界における盤上遊戯について考えることがある。
チャトランガ式のゲームは派生系を作りやすいのだが、単に盤面の大きさと駒の動きを弄ったというのではいかにも安易な感じがする。かといってルールを付け加えてゲーム性を複雑にするやり方も創作性という意味で不満が残る(それでもアルカのシェルトにおけるテームスのルールは独特で面白みがあると思う)。色々なゲームを考えている人というのはいるもので、フェアリーチェスの類は参考になる。
チャトランガに並立しうるようなシンプルな遊戯を考えたいが、そう考えると囲碁というゲームの見事さは畏れ入る。成立史がほとんど不明というのがこのゲームの単純さ(と古代からルールを変えず遊び続けられる奥深さ)を物語っている。
アフリカ諸語文法要覧 03 : バントゥ語群
読了。良い読み物だった。
残りはほとんどバントゥ語群に属する言語だった。
名詞クラスがどうやって発達したのかとか、この語族がなかったら多彩な名詞クラスがありうることを果たして想像できただろうかと思う。想像を巡らせて現実には存在しない言語の仕組みを作りたいものだ。
Essential 細胞生物学 01
面白い。
大学の学部で使われる教科書らしいだけあって、非常に入り込みやすくできている。最低限の化学の解説があるのも特徴的。それでいて説明は詳しい。
大型本なのもあって、図面が美しく印象に残る。生物が好きで余裕のある高校生には丁度良い読み物になると思う。自分に子供がいたらプレゼントしたい。
それにしても教科書というジャンルは大学生たちの犠牲のおかげでまとまった知識が比較的安価に手に入れられるので有難い。特に医学関係の本はとても詳しい書籍が充実しているので門外漢としては羨ましい限りだ。
LIFE 06 : 進化発生学
読了。免疫~発生まで。
進化発生学というのが面白そう(&創作のために重要そう)なのでメモ。
最近のコメント