e
[接続詞]~の。所有関係を表す。lei e miir(ミールの本)
[接続詞]帰属関係を表す。amel e ridia(リディアの妹)
[接続詞]修飾関係を表す。lei e miik(リンゴに関する本)
[接続詞]「~製の」を表す。著作者の場合はyutでも可。材質の場合はeやkonen。freaなどは形容詞があるのでeを使わないでもよい。
[レベル]
lsd;keno.k 基本語順がSVOになったlsdで初めてできた。SVOが基本語順になったにも関わらず、レスティル語ではkenoのほうが優勢で、eの頻度は低かった。これはarにも継承される。eがよく使われ出したのはrd以降。
古:後ソーン・アルカまではkeno、メル・アルカではe
keno(eと語順が逆):keno e,lsd:j:tu,alt
[語法]
→t(eとtの使い分け)
<基本事項>

修飾のつなぎとなる。「~の~」に相当。日本語とは語順が逆。「tのk」はk e tになる。
接続詞なので原理的には節も取れると思われる。

t e kにおいてkが母音から始まる語の場合、eはt'になる。hacm t'arka(アルカの幻字)のように。
ただし初学者に分かりやすくするためにhacm e arkaとすることがある。また、「~の」という部分が強調されたり、句全体がゆっくり発音されるときもhacm e arkaになることができる。

<用法>

1:所有:lei e miir(ミールの書)
2:部分と全体:las e miir(ミールの手), zepl e zom(木の枝)
3:所属:felan t'arnamana(アルナ大の学生)、sae e toxel(昨日の雪)。felan kaen arnamanaだと所属よりもむしろ現在地や所在地を指す。昨日という時間帯に所属する雪なのでeを使う。
4:材質:diam e{konen} frea(鉄の像)。freaを形容詞にすればeは不要。konenで言い換えも可能。
5:関連性:seta t'arbazard(アルバザードの歴史)。seta onen arbazardでも可能。
6:慣用:levian t'arka(アルカの人工言語→人工言語アルカ)。直訳すると「アルカの人工言語」となり、違和感がある。levian t'arkaのeについては、古アルカで「人工言語アルカ」に相当する句を作る際、今のeに当たるkenoという接続詞を用いていたことに起因する。
*:属性:fian t'ins soret(青い目の少女)。これは不可。t e kでkがtの属性を示す用法はない。fian oken ins soret, fian le til ins soretが正しい。fian t'ins soretだと「青い目が持っている少女」という意味不明な句になる。もし意味を有するとすれば、例えばins soretが「青い目団体」などの固有名詞で、そこに所属している少女だということなら問題ない。
*:性質:hacn e vik(男友達)。これは不可。t e kでkがtの性質を示す用法はない。hacn l'et vikが正しい。hacn e vikだと「男が所有している友達」の意味なので、「とある男の友人」という意味になる。その友人は女かもしれない。hacn e vikを男友達と解釈すると意味が真逆になる恐れがある。
*:源泉:kap e miir(ミールから掛かってきた電話)。これは不可。ミールの所有している電話の意味になる。kap iten miirが正しい。

材質が可で属性や性質が不可なのは、恐らく材質が両者に比べて「部分と全体」に近いためであろう。鉄の像は鉄という材質が全体で、その材料の一部を使って像を作るわけだから、部分と全体に近いものがある。結局のところ鉄も像も鉄なので、部分と全体が成り立つ。「ミールの腕」という句において腕もミールもミールだというのと同じことである。
一方、属性や性質の場合は「部分と全体」とは言いがたい。fian t'ins soretはそもそも「全体と部分」になっていて立場が逆転しているし、hacn e vikについては友達と男は同一でない。なお、ins soret e fianなら「部分と全体」や「所有」の関係になるので可であるが、これだと「青い目の少女」でなく「女の子の青い目」になって意味が変わってしまう。

<eの解釈>

eは多義語なので解釈は文脈や背景知識に基づいて行う。例えば学生にとってfelkaは所属するものであり、常識という背景知識から用法を定めることができる。同様に社長にとってloitは所有するものである。
ところが中にはどの意味にも取れる場合がある。leis e kの場合、kは描き手なのか、モデルなのか、所有者なのか、そういったことは分からない。どの可能性もある。この場合、文脈で判断する。できなければ曖昧なままとなる。もし意味を明瞭にしたい場合は、eを使わずに表現する。描き手の場合はleis le lu ladat、モデルの場合はleis le lu et maix onやleis onen lu、所有者の場合はleis le lu tilというように。

<eと所有代名詞>

名詞には所有格(属格)があるが、代詞の所有格ほど頻繁には使わない。まずこのことを念頭に置いておく。
ところで、実は所有格などなくとも人工言語は事足りる。felka tiilなどfelka e tiとすればよいのだから。ところがアルカの代詞には所有格がある。まこと面倒くさいが、たまには便利なときもある。
代詞の所有格はeのすべての用法を取ることができる。lei tiilからseta tiilまで全て可能だ。むろんleis tiilで「あなたの絵」という意味になる。でもこれはleis e tiではいけないのか。
実はleis e tiもアリだ。しかし意味が変わる。leis tiilは「あなたが所有する絵」(所有)や「あなたが書いた絵」(所属)を意味し、leis e tiは「あなたを描いた絵」(関連性)になる。

このように代詞の場合、所有格があることで所有格を使わないeを使った句と意味を区別することができる。
所有格と所有格を使わないeを使った句を比べると、所有格は上の5つの用法のうち、より1に近いほうを優先的に取る。両者を比べない場合はこの限りではなく、両者とも1~5の用法を取ることができる。
なお、普通名詞でも理論上は同じ現象が起こるはずだが、普通名詞の属格はそもそもあまり使わないので、leis lutianとleis e lutiaのような対立は生まれない。
多義性が生まれるleisのような名詞と属格が並んだ場合、文脈で用法を判断するか、そうでなくばleis le lu lad on lutia(彼がルティア国について描いた絵=ルティアがモデル)のように言い回しを変える。

・まとめ

leis antは「私の描いた絵」ないし「私の所有する絵」。
leis t'anは「私を描いた絵」。
tillang e xeは「何かの所有権」。
tillang xeetは「何かが持つ所有権」で、何かが人以外のときは不適。

【用例】
lei e xion 紫苑の書
an til ko lei e{loten} vi. 三冊の本のうちの一冊を私が持っている。
e(2)
[数学]festの略。数式で使う。÷記号に等しい。
[レベル]
19
e(3)
[化学][接頭辞]~を除いた。英語のdeのように使われる。減去命名法などに用いられる。
19:制の接頭辞e。aを選ばなかったのは、開く接尾辞のaと重複するため。前の単語の接尾辞のaなのか、後ろの単語の接頭辞のaなのか、耳で分からなくなる組み合わせがでないともいえないので、あらかじめ芽を潰した。
e(4)
[文末純詞]だなぁ
[レベル]

:::o,alt
[語法]
aのe系列。人に喋りかけるときに使う詠嘆。aにすると独り言のような詠嘆になる。aを相手に使うと、やや男性的でぞんざいな感じになる。
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