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LIFE 05 : 第3巻 バイオテクノロジーなど

半分ぐらい読んだ。
DNAを読んだり書き換えたりする技術について。
重要な話ではあるけれどもちと退屈。原理に近い話のほうが面白い。


そういえばルートダブルに出てきたIGF2R(インスリン様成長因子2受容体)なる遺伝子は実在らしいね。
なんでこれを採用したのかはよくわからない。医学についても調べてみたい。
ここに面白そうなインタビュー記事があったのでクリアしたら読んでみよう。


言語学大辞典

中古だけどだいぶ状態が良かった。百回も参照されてないと思う。もったいない話だ。
眺めてたらいくらでも時間が溶けてく。
2巻も注文しといた。


記述量は言語によってかなり幅がある。
たとえばアイヌ語は88ページにわたる詳細な解説がある。
一方で先日見たアカン語は、言語特徴については数行の記述があるのみであった。クワ語派の項は分類史に詳しい。

記述量が言語によってバラバラなため、ランダムな言語をピックアップして参照する用にはあまり向いていない。単に辞典として情報の乏しい言語を引くために使うか、まとまった量の記事がある項目(語族・語派などの解説)を読み込んでいくのがよさそう。


アフリカ諸語文法要覧 01 : 言語資料

クレオールの起源論の一つに、基層言語アプローチがあった。
多くのクレオールの特徴が類似しているのは、基層言語が共通しているからだ、という主張である。そしてその「共通の基層言語」として多く挙げられるのが、西アフリカの言語――具体的には、ニジェール・コンゴ語族の西クワ諸語である。それについて調べようとして本書に行き着いた。

本書はバントゥ諸語について充実しているものの、クワ語派として挙げられているのはアカン語のみであるし、統語についてはほんの数ページしか割かれていない。これだけではアカン語がクレオール的かどうかはよくわからない。もともとクレオールの起源を調べるために興味を持った本ではあるが、むしろ日本人がこのような書籍を編著しているところに注目すべきと思い直し他の言語も見てみることにした。


文法要覧というだけあって、どの言語も簡潔に音声、形態、統語に触れるだけとなっている。
それでも語学としてではなく言語を概観したいという向きには有用であろう(語学書の日本語を介した迂遠な説明に辟易しなくてすむ)。人工言語づくりの参考にするぐらいだったらこの程度の記述量が適している。もっともこの手の言語標本であればやはり英語圏の資料が充実しているのだが…。

と、ここまで書いて言語学大辞典ってどれくらいの記述量だったっけ?と気になったけどわざわざ図書館に出向くのも面倒なので買っておくことにした。参考になるだろう。


LIFE 04 : 遺伝子発現調節とか

第2巻読了。
取り上げるべき項目が多すぎてかなり駆け足になってる感が否めない。教科書なので、本来なら講義でカバーするのだろうか。
もっと詳しいのを買うべきか。
とりあえず第3巻よみます。


接触言語 04 : 手話とクレオールの関係

読了。
残りの章は、脱クレオール化・再クレオール化の話題や、クレオールの公的地位などについてだった。「言語のルーツ」との関連で言えば手話の話題が最も興味深い。
Margaret Deucharによれば、手話の文法構造はBickertonの挙げたクレオールの特徴に従っているという:それはTMA(時法相)の順序存在文と所有文を作る主動詞の一致繋辞の欠如形容詞と動詞の統一的扱い受動構文の欠如の5点である。手話はクレオールと同様に非常に限られたインプットのもとで子供が創出するためバイオプログラム言語の特徴を備えている、と彼女は主張する。
著者はこれに対し4つの反論を試みている。しかしそのいずれも(そもそも手話研究が未熟であるという指摘を除き)、手話の形成と習得とを混同しているように見える。問題は、手話が最初に創られたときに既成言語の干渉がどれだけあって、どれだけ独自に文法構造を発達させたのかだ。既成言語の影響が十分少ないならば、手話を近年における言語の発生の一例として参考にすることも可能なのではないだろうか。


そういうわけで今度は手話について調べてみようと思う。


接触言語 03 : クレオールの起源 普遍主義と基層言語

第6章「クレオール語の起源」まで。
章題のとおり、クレオールの起源について普遍主義アプローチ(特にBickertonの言語バイオプログラム仮説)と基層言語アプローチの論争を通して取り扱っている。著者は基層言語アプローチ寄りで、バイオプログラム仮説に対し以下のような多数の反論を挙げている。

  1. Bickertonの定義するクレオールに当てはまる言語例が少なすぎる
  2. Bickertonの定義に当てはまるクレオールにも際立った反例がある
  3. Bickertonの挙げるクレオールの特徴には多くの反例がある
  4. ピジンのクレオール化はBickertonの想定よりも緩慢であり、また形成期の2言語使用は基層言語の寄与を強く示唆する
  5. 多くの自然言語はバイオプログラム言語からあまりに逸脱している
  6. クレオールに共通する特徴は共通の基層言語(西アフリカ諸語)の地域的特徴により説明できる

多くの言語学者がBickertonに与しない姿勢を見せているとおり、この議論は全体的に見て基層言語側にかなりの分があるのは確かである。しかしながら、上記の5点目に関しては容易に再反論できる。すなわち、バイオプログラム言語は習得に特化した言語であり、時を経た自然言語は運用性を求め複雑化し、また文化の要請に応じて多様性を獲得するのである。この点はBickertonも同様の言及をしていたはず。


LIFE 03 : 第2巻 分子遺伝学

第2巻。第7章「遺伝学:メンデルとその後」まで。
古典的な遺伝学は化学の前提知識を必要としないので細胞の話に比べればだいぶ簡単。
メンデルの法則らへんなんか小学生でも理解できるしね。


接触言語 02 : ピジンの起源

第4章「ピジン語からクレオール語へ:段階的発達」の途中まで。
ピジンを概観してみると、Bickertonがクレオールの普遍的特徴として挙げていた文法項目の大半はピジンにも共通しているようだ。ここまで触れた範囲では、クレオール化・言語習得の過程にバイオプログラム言語の萌芽を見たBickertonの主張は怪しく思える。

むしろ外国人言葉(外国人や赤ちゃんに向けて使われる、母語を単純化した言葉)などのほうがピジンの起源としては説得力がありそうだし、主流の見方であるようだ。ただし、この説はピジンの発生については説明できるもの発達段階については十分な説明とならない。

いずれにせよピジンの単一起源説1 は非西欧語の上層言語を持つピジンの観察により現在ではほぼ明確に否定されていると言う。このことから、言語の文法簡略化アプローチには人類共通の戦略があるというのがひとつの有力な見方である。

もうひとつ有力なのが、ピジンに共通する文法は共通の基層言語に依存しているという見方である。この学説については詳細は6章待ち。ちなみにチラ見したところ6章ではBickertonが熱い批判に曝されている。
それにしてもこうして並べられた学説を眺めていると、ピジン・クレオールは発生する環境が限られておりデータが英語~ロマンス語-アフリカ諸語の接触に偏るのでとかく研究者も惑わされがちな研究対象であることを実感する。


  1. 地球上のあらゆるピジンはポルトガル語などを語彙供給言語とするピジン祖語を持ち、そのせいで文法が類似しているとする説。

接触言語 01 : ピジン・クレオールの教科書

言語のルーツからの流れで購入。第2章「ピジン語の特徴」の途中まで。
内容はピジン・クレオールを中心とする接触言語の教科書みたいな感じ。章末・節末に練習課題もポツポツ。
個別言語の事例研究も多く満足できそうな内容。

最近出た訳本でレビューもなく、開けてみると訳者コメントとかもなく第一印象は不気味だったのだが、誤植が多いもののそれほど問題は無さそうだ。調べてみると訳者はこの出版社の創業者の方らしい。学者でもないのになぜこんな地味な本を訳したのだろうw日本語のタミル語クレオール起源説に興味ある人らしくそれ関連かな。
何にしてもありがたい話だ。


農耕起源の人類史 04 : 解題のありがたみ

読了。
解題が分かりやすい。本文とは何だったのか。

解題で述べられている通り、本書の内容を要約すると「著者の専門であるオーストロネシア語話者の拡散に関する研究を背景に、コリン・レンフルーがインド=ヨーロッパ語族において論じた農耕の拡散と言語の拡散を結びつける仮説(アナトリア仮説)を全世界に適用しようとする試み」である。
ただし、オーストロネシア語族の場合は拡散の過程についてはっきりしたことが言えるが、アナトリア仮説自体は多くの反論に曝されており、考古学的にも言語学的にも広く受け入れられていない。

個人的にはバントゥー諸語の拡散、インド亜大陸、ニューギニア高地の言語状況が興味深い。
詳細についてはここのまとめがかなりまとまっているのでお読みください。
ちなみに日本に関して、著者は日本語は高句麗語と同系、弥生人は紀元前5世紀に朝鮮半島から流入したとの説を仮に採用しています。ぶっちゃけ行殺ですね。


さて、学術的な真偽をどうこうするのは流石に手に余るので、これをworldbuildingにどう活かせるのか考えてみよう。いずれにせよ農耕民の急速な拡散が広範囲への語族の分布(と熊手状の分岐)を作ったというのはありそうな話である。このへんの考察は言語史を描写するために必須だろう。

また、これを農耕でなく仮想的な(圧倒的人口優位を有する)技術文明に置き換えてみて、この本に描かれている拡散のパターンをそのまま当てはめてみるのもよさそうだ。こうやって少しだけ組み替えれば比較的インスタントに見目新たな妄想の世界を形作れるというわけである。


今後要チェック。
レンフルーの「ことばの考古学
オーストロネシア語族、ニジェール=コンゴ語族


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