ファタモルガーナの館 : 安定した作話力の今後に期待
同人ノベルゲームファタモルガーナの館を振り返っておきます。
erogamescapeでデータ数僅少ながらやたらと高得点だったためやってみたわけですが、エロゲではないですしどちらかと言えば女性向な雰囲気です。ジャンルを一言で言うと西洋伝奇浪漫ですかね。
一言で言って素晴らしい作品でした。
とにかく話作りにソツがなくて、小さな物語が撚り合わさり大きな物語へと組み上げられていくカタルシスが存分に味わえます。小さな物語自身も話としてそこそこの内容に仕上がっているあたりに格の違いを感じます。特に第2章(獣の章)はなかなかハラハラしました。
さて、ノベルゲームとして見ると、まずBGMのほとんどに歌を採用した点が特徴的です。私自身はそもそも歌が嫌いですが、ポルトガル語?による楽曲は舞台の雰囲気には合っていました。
演出自体はかなり静的でありながら一枚絵(乙女ゲー業界ではスチルと呼ぶらしいのです)が効果的に使われていました。背景がヘボいのはまあ仕方ないですね。資源が限られているときに真っ先に削るべき要素は声・背景なので。
ファタモルガーナの館には、霧上のエラスムス、セブンスコートという派生作品(といっても本編とは無関係)があるのですが、かなり安定してプロットのレベルが高いです。今後にも期待できそうです。
この2作品はフリーで配布されているのでぜひ確かめてみてください。特にセブンスコートが良いです。
コメント 0