アーカイブ 2013年 3月16日

農耕起源の人類史 04 : 解題のありがたみ

読了。
解題が分かりやすい。本文とは何だったのか。

解題で述べられている通り、本書の内容を要約すると「著者の専門であるオーストロネシア語話者の拡散に関する研究を背景に、コリン・レンフルーがインド=ヨーロッパ語族において論じた農耕の拡散と言語の拡散を結びつける仮説(アナトリア仮説)を全世界に適用しようとする試み」である。
ただし、オーストロネシア語族の場合は拡散の過程についてはっきりしたことが言えるが、アナトリア仮説自体は多くの反論に曝されており、考古学的にも言語学的にも広く受け入れられていない。

個人的にはバントゥー諸語の拡散、インド亜大陸、ニューギニア高地の言語状況が興味深い。
詳細についてはここのまとめがかなりまとまっているのでお読みください。
ちなみに日本に関して、著者は日本語は高句麗語と同系、弥生人は紀元前5世紀に朝鮮半島から流入したとの説を仮に採用しています。ぶっちゃけ行殺ですね。


さて、学術的な真偽をどうこうするのは流石に手に余るので、これをworldbuildingにどう活かせるのか考えてみよう。いずれにせよ農耕民の急速な拡散が広範囲への語族の分布(と熊手状の分岐)を作ったというのはありそうな話である。このへんの考察は言語史を描写するために必須だろう。

また、これを農耕でなく仮想的な(圧倒的人口優位を有する)技術文明に置き換えてみて、この本に描かれている拡散のパターンをそのまま当てはめてみるのもよさそうだ。こうやって少しだけ組み替えれば比較的インスタントに見目新たな妄想の世界を形作れるというわけである。


今後要チェック。
レンフルーの「ことばの考古学
オーストロネシア語族、ニジェール=コンゴ語族


return top